冬恋~さいごの贈り物~


俺にとって緋里姉ちゃんはそういう存在。


もちろん、莉玖翔たちの事も話してた。


大事な親友が出来たって、大好きなんだって。


そっか。緋里姉ちゃん、莉玖翔たちに会ったんだ。


次に皆に会った時は話すつもりでいたけど…うまく言葉に出来る自信がなかったから。


緋里姉ちゃんが話してくれてよかった。



「俺の口から伝えられなくてごめん…!」



ヒミツにしたくて隠してたわけじゃないけど。


俺は、こんなに心配してくれてる親友を




────────裏切った事になるのかな…。





「…俺、親友失格だね……っ」



ごめんね、みんな…。



「ずっと言えなくてごめんなさい…っ!」



許されるとは思ってない。だけどそれでも俺は手すりから下り、皆に頭を下げた。



「空羽…。頭上げてよ」



「無理だよ…。だって俺はずっと皆に隠し事してたんだよ…⁈お父さんやお母さんのことだけじゃない。どこに住んでるのか、どこでどんな風に育ったのか、俺の事は何1つ話してなかったんだよ…。親友なのにっ」



こんな俺は皆の親友だって胸をはって言えない。…言っちゃいけないよね…。



「違う…違うよ、空羽」



それでも奏穂は俺に顔をあげろという。



「何が違うんだよ…っ。俺は皆を裏切ってたん…」



「そんなのっ…、裏切ったなんて言わない。あたしたちはちゃんと、親友だよ」



「どうして…」



どうしてそうやって言えるの…。



「ヒミツがあるのは空羽だけじゃない。誰にだって…莉玖翔にも、芽依にも、海叶にも…あたしにも。親友にだって言えない事の1つや2つはあると思う。だから…裏切ったことになんてならないよ……」



「でも…っ!現に皆にはヒミツなんて…っ」