冬恋~さいごの贈り物~


内容がどれだけくだらなくても、会話が途切れる事なんて今までに一度もなかった。


だから少しだけ…この状況に戸惑った。


芽依は空羽と一番仲がよかったから、何か思うところがあるのかもしれない。


そう考えてあたしはあえて、芽依に何も聞かなかった。














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『それじゃあ皆、明日は8時にアラームセットしておくから』



『緋里さん…何から何まで本当にありがとうございます』



『ありがとうございます』



あたしに続いて莉玖翔、芽依、海叶も頭を下げる。



『いいの。本当に気にしないで。私がしたくてやったことだから』



優しく微笑みそういう緋里さんに再度お礼を言うと、あたしたちはそれぞれ綺麗に敷かれた布団の上に身体を横たわらせた。


あたしたちの思いはきっと同じ。






''どうか空羽が無事でありますように…──────────''







眠るまであたしたち4人は誰一人、言葉を発さなかった。




……─────────────────────














遅くなってごめんね、空羽。



今からみんなで会いに行くよ。







必ず、見つけるから─────────────────














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「いい?みんな、開けるよ…」



教えてもらった住所を頼りにたどり着いた病院の''嶋名 さえ子''と書かれたプレートがついた部屋の前であたしは皆に声をかける。


3人が頷いたのを見て、あたしは扉を開けた。