「…?そっか!じゃ私たちこっちだから行くね!」
「うん!また月曜にね。莉玖翔、空羽、芽依」
「またなー!」
「また月曜日」
「お前ら気をつけて帰れよー」
「かいたちもねー!」
いつもの交差点であたしたち5人は分かれた。
あたしと海叶は右へ、空羽と芽依は左へ、莉玖翔は真っ直ぐに、それぞれ帰路につく。
「で?お前本当はさっき、何考えてたんだよ?」
海叶と2人、再び歩き出した瞬間に海叶はいたって普通にそう聞いてきた。
「はぁ~…本当、海叶には隠し事出来ないね」
「あたりめーだ。何年お前の隣にいると思ってんだよ」
「あはは、そうだよね。……海叶はさ、あたしといるの嫌だと思ったことないの?」
少し思い返しただけでもあたしは海叶に、迷惑しかかけてない。
いくら幼馴染でも、やっぱり限度があると思う。
あたしの質問に海叶は黙ったままだった。
「…なーんてね!じゃ、家着いたし帰るよ。またげつよ………」
なんとなく気まずくなって、逃げるように玄関に入ろうとしたあたしの腕を海叶が掴んだ。
「今日はお前ん家で飯食べるってさっき親からメールきた」
よりにもよって今日…?
タイミング悪すぎ…!
「…それと、さっきの答えだけど。嫌なわけねーじゃん。俺たち幼馴染だろ、いちいちんなこと気にすんな」
そう言い海叶はあたしの横に並んで
「────それにさ、お前を一人にしたくねぇんだよ。言っただろ?お前のそばからいなくなったりしねーって」
あたしより先に、うちの玄関をくぐった。
「おかえり!」
扉の奥ではあたしたちを迎える、小さなお母さんの声が聞こえる。
あたしも急いで、海叶の後を追いかけた。