冬恋~さいごの贈り物~




【奏穂side】



空羽が姿を消して1カ月──────────────



あたしたちはようやく手がかりを掴んだ。



「皆…行こう」



もらったメモとある人の言葉を頼りにあたしたち4人は空羽を探しに向かった。




きっかけは昨日の放課後────────────









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『先生…お願いします…っ。空羽の家の住所を教えてください…。大事な、親友なんですっ…』



あたしたちは今日も先生に頭を下げていた。


空羽の居場所、住所を教えてもらうために。



『守秘義務だって事は分かってます。でも私たち、くうが心配なんです…!!』



『そうは言ってもなぁ…教えられないんだよ。例えお前たちが親友であったとしてもだな…』



『そこを何とか…っ!お願いします…』



海叶も言葉こそ発さないけど、同じ思いであたしたちと一緒に頭を下げる。



『お前らなぁ…』



やっぱり今日もダメか…そう思い頭をあげようとした時だった。



『ほらこれ、持って行け。住所までは教えてやることは出来ないが…嶋名の住んでる町の名前くらいは教えてやる。そこからは自力で探すこと。…いいな?』



先生はこそっと、あらかじめ用意していたのであろう紙をそう言い手渡してきた。



『先生っ…!』



『いやぁ、お前らの熱意には負けたよ(笑)それにいくら連絡をもらっていると言っても可愛い生徒だ。俺も嶋名の事が心配だからな。任せたぞ。特別だからな、くれぐれも俺から聞いたと言わないように』



『分かりました』



『せんせぇ~…ありがとう…!』