『綺麗ねぇ』



『空羽。はしゃぎすぎて転ぶなよー』



『うん!大丈夫』



そう言い俺はお父さんに向かってピースを作る。


ピクニックに来た場所は県をまたいだ先にある有名なひまわり公園。


夏になると俺よりもずいぶん高いひまわりたちが咲き並ぶ。


ここに来るのは年に一度だけ。嶋名一家にとって夏の恒例行事だった。


長く続くひまわりの道を抜けると沢山の遊具がある広場に着く。



『もう少し先でご飯にしようか』



『そうね』



その少し手前で俺たちはお弁当を開いた。


沢山のひまわり囲まれた青空の下、仲良くお母さんの作ったお弁当をほおばる。



『そんなに焦って食べたら喉詰まらせちゃうわよ。まだ時間はあるから』



沢山の具が色々敷き詰められた色とりどりのサンドウィッチ。


もう1つのバケットには卵焼き、ウインナー、ブロッコリーなどの様々なおかず。



『お母さんの料理が一番美味しいねっ』



そのどれもがとっても美味しかったこと、覚えてる。


お母さんは料理上手だったと思う。



『ふふっ。ありがとう、空羽』



『よし。お腹も満たされた事だし…空羽、行くかっ』



俺の大好きなものを手に取り、広場へ向かうお父さんの後を追った。



















『行くぞー』



『うんっ‼』




──────バシン




飛んでくるボールを左手でしっかり受け止める。



『ナイスキャッチ。ほら、こい』



構えるお父さんに次は俺がボールを投げ返す。



『ナイスボールだ、空羽。上手くなったな!』