【奏穂side】
「おはよう、海叶」
「あぁ、おはよ」
週明けの月曜日。あたしはいつものように海叶と登校する。
学校に着くと
「海叶、奏穂。おはよ」
「おはよう、莉玖翔」
「はよ」
いつものように挨拶を交わす。
「…あれ?空羽は?」
だけどそこには珍しく、空羽の姿がなかった。
「おっはよー!…くうがいない」
登校してきた芽依も早速気づいたらしい。
「俺にも連絡がなかったんだ。いつも何かある時は連絡があるんだけど…」
「風邪で寝込んでんじゃねーの?」
「そうなのかな…?」
「ほらー、席つけー」
結局、空羽の事は何も分からないまま学校が始まった。
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「だめだ。繋がんねぇ…」
「こっちもダメみたい…」
お昼休み。あたしたち4人は空き教室にて空羽に電話をかけていた。
海叶は携帯に。あたしは家に。
だけど、どちらも繋がることはなかった。
「くう、どうしたんだろ…。おかしいよね⁉」
携帯に繋がらないのは不思議でもなんでもない。
体調が悪ければ出られないだろうから。ただ…
「たしかに、家の方は繋がるはずだよな…」
莉玖翔の言う通り、家くらいは繋がってもいいはずなんだけど…。
どこのうちにも大抵、お母さんがいるはずだし。
例え共働きだとしても、子供の体調が悪い時くらいは家にいるものじゃないのかな。
莉玖翔に連絡出来ないほどひどいなら尚更。
…なんて、あたしの考えが甘すぎるのかな?



