「海叶。あがったよ」 「おう。じゃ、俺も行ってくるから」 「うん、待ってる」 そう腰を下ろす奏穂に、俺は持っていた封筒を手渡した。 「その前に、これ…渡しとく」 「…?何これ?」 「俺が奏穂に隠してた唯一のヒミツ。黒木から奏穂に向けての最期の手紙だ」 「…杏結莉、の…?どぉして海叶が…」 「それは後でゆっくり話す。とりあえずそれ、読んでろ」 「…分かった」 手紙を開きかけた奏穂を横目に俺は部屋を出た。