─────────────────────……
『奏穂、弱すぎんだろ』
『海叶が強いんだもんっ』
バレンタインの前日ということもあり、あたしの家には室沢一家が家に訪れていた。
部屋で海叶とゲーム中。
──────────♪♪
突然着信音が響き渡った。
相手の確認もせずに、不思議に思いながら電話に出ると
''もしもし、奏穂?''
着信相手は杏結莉だった。
『杏結莉⁈どうかした?』
''私、もう…ダメ、かもしれない''
電話を通して聞こえる杏結莉の今にも消えそうな弱々しい声と、静かな空間に響く風の音。
────────────嫌な予感がした。
『杏結莉っ!今どこにいるの⁈』
''もうね、疲れちゃったんだ。ここにはもう、お母さんがいない。居場所がないの''
『杏結莉…っ、質問に応えて…っ!』
''奏穂に会えてよかった''
───────────プツン
杏結莉のそんな言葉と共に、通話が途切れる音がした。
『海叶、あたし行ってくる…!』
このままじゃ杏結莉が…。杏結莉が危ない…!
『待て、どこ行くんだよ。俺も行く』
事情も知らない海叶も連れて、あたしは家を飛び出した。



