後から聞いた話によると、杏結莉のお母さんが入院したころにはもう手に負えないほどに精神も身体もボロボロで。
薬なしには寝付けないほど精神的にきていたらしい。
それでも病院の先生はあらゆる手を尽くしてくれた。
また普通の日常が送れるように。
だけどそれよりも先に杏結莉のお母さんは死を望んだ。
亡くなったお母さんの枕元には、
────────沢山の薬が転がっていたらしい。
机の上にはただ1つ。
''杏結莉…ごめんなさい。お母さんはもう限界です。こんな家庭に産んでしまって、幸せにしてあげられなくて本当にごめんね。
お母さんより''
と書かれたメモが残されていたという。
杏結莉は一体どれほどのショックを受けたんだろう。
杏結莉の心の痛みは未熟なあたしになんて計り知れないほどだろう。
それでもあたしはいつだって杏結莉の傍に居続けた。
あたしには、それくらいしか出来なかった。
日に日に杏結莉のケガは増し、直視出来ないほどになる。
お母さんがいなくなった今、ターゲットは私しかいないから…。杏結莉は悲しそうにそう言ってた。
杏結莉のために出来ることを沢山、沢山考えた。
でも…どれだけ考えてもあたしたちはまだ小学生の子供で。
あたしにも、杏結莉にも、改善策なんてなかった。
この日常を打破することなんて、出来なかったんだ。
そして小6の冬────────2月13日。
───────終わりの日は突然に訪れる。



