これが小学生ながらに必死にもがき悩んでいた誰にも話せないヒミツ。
あたししか知らない
杏結莉のヒミツだった───────
それからはどんな些細なことでも、あたしにだけは話してくれてたと思う。
今日のお父さんの様子とか、どんなことをされたとか…。
その内容は激しい時もあれば軽い時もあって。
それでも辛い痛みや苦しみに耐え、毎日笑う杏結莉を心からすごいと思った。
同時に、何があってもあたしは絶対に杏結莉のそばにいる。
少しでも杏結莉の支えになるんだって強く思った。
だけど───────────────
事態が急変したのは小6の夏。
杏結莉に話を聞いてから1年も経たないくらいの時だった。
─────────────────────……
その日は珍しく杏結莉が欠席だった。
最近、精神の不安定でお母さんが入院したと聞いてあたしも一度だけお見舞いに行ったけど…
優しそうな雰囲気の杏結莉のお母さんは
やつれてて
顔色も悪くて
沢山の管が繋がれてて。
その姿は見るに堪えなかった。
今日はそんなお母さんのお見舞いにでも行っているのだろう、
そんな程度にしか思っていなかった。
だけどその日の放課後。
かかってきた杏結莉からの電話にあたしは言葉を失った。
『奏穂…今日は連絡出来なくてごめん。お母さんが、お母さんが、ね……
───────今朝、死んだんだ…』
そう淡々と告げる杏結莉からは、何の表情も読み取れなくて。
電話を切ったあたしは急いで杏結莉の元へむかった。



