『覚えているか分からないけど、私たちが初めてあった日。あの日私は1人でいる覚悟をしてたの…小3ながらに』
『どうして────────?』
『お父さんに殴られる毎日を誰にも知られたくなかったから。聞いてほしくなかったから。普通の生活を送る皆に嫉妬したくなかったから。だから私は友達を作らないように、1人ぼっちが好きなんだって見せようとしてた』
あの時は人見知りだと思ってたけど…。
わざとそういう風に見せてたんだね…。
『でもそんな私にめげずに声をかけてくれたのが奏穂。最初は仲良くなるつもりなんてなかった。だけど私だってただの小学3年生で。奏穂を突き放すなんてできるはずがなかった、仲良くなりたいってそう思ったんだ』
『杏結莉…』
『それからはね、本当に楽しかったんだ。くだらないこと言い合って、沢山遊んで…。相変わらずうちに帰ると最悪だったけど。学校にいるときだけは…奏穂といるときだけは、全部忘れられたんだ。でも…』
杏結莉は苦笑いを浮かべた。
『仲良くなればなるほど、私の事を話せないのが辛かった。だけど今日、話すことができて本当によかった。ずっと聞かないでいてくれて───────ありがとう』
『うぅ…杏結莉ぃ。辛いこと話させてごめん。でも…話してくれてありがとう。何が出来るかは分からないけど…話はいつでも聞くし、支えになるから…!だから…遠慮せずに言って…?』
『うん…仲良くなったのが奏穂でよかった。私はこんなに優しい友達がいて、幸せ者だね』
『杏結莉…!大好きだよ』
『私も。大好きだよっ』
あたしの目から溢れる涙は、とどまることを知らなかった。
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