【空羽side】
「はいよ。にんじん2つね」
「おばさん。ありがとう‼」
日課の買い物をする俺は嶋名 空羽。高1男子‼
今は俺の仲いい友達4人が通う高校に俺も通ってる。
莉玖翔、海叶、奏穂、芽依、俺。
これが俺の大好きないつメン!
「おねーさん!」
「空羽くん。いらっしゃい!いつものでいい?」
「うん、ありがとう!」
正直、俺の家は裕福じゃない…。
「はい!安くしといたよ!」
「いつもありがとう!」
「いいえ~。またおいで」
「うん‼」
だけどそれを嫌だと思ったことは一度もない。
俺は普通の生活を送れればそれでいいから。
それ以上はもう、何も望まないから────────────────
別に隠そうと思ってそうしてるわけじゃないけど、俺には皆に言ってないことがある。
言うタイミングを逃しちゃってるんだ。
どうせいつかはバレることだし、いつかは言わないとって思ってる。
「そろそろ帰らなきゃっ」
────────────────────────♪♪
「ん?!電話…?」
突然かかってきた非通知からの電話。
「もしもし…?」
「嶋名空羽さんの携帯でしょうか?」
出ると誰かも分からない人から名前を確認される。
「はい、そうです!どうかしましたか??」
「──────────────────────────────」
次に聞こえてきた言葉に、
俺は持っていた携帯を手放してしまった。



