冬恋~さいごの贈り物~



「助かるよ。やっぱり男手が多いってのはいいなぁ」



「あー、昼の準備手伝えなくてごめん」



「ははっ、別に構わないよ。海叶くんには奏穂の傍にいてくれた方が心強い」



たぶんおじさんには俺の気持ちなんてお見通し。


奏穂の傍から離れたくねー気持ちを唯一本当の意味で感じ取ってくれてるんだと思う。


別に2人で何を話した訳でもねぇんだけど。



「…おう。奏穂がもう二度と傷つかねーように守る自信はあるから」



もう高校生だ。


俺にだって出来ることは増えた。


だから…これから何が起きたとしても。


俺は1番に奏穂を守る。


守り抜いてみせる。



「あぁ、頼むよ」



たとえ──────────





───自分が犠牲になったとしても。







「お父さん、海叶。あたしも何か手伝うよ」



「それなら海叶くんと一緒に椅子を組み立ててくれないか?」



「うん、分かった!」



奏穂が来た方へ目を向けると、準備を終えた様子の親父と貝拾いか何かをしている様子の空叶、おばさん、母さんの3人の姿。


だから手伝いに来たのか。


奏穂はこーゆーの放っておけない奴だから。


皆の準備が終わるまで、手伝うか見守るかしかしねーんだ。



「貝拾い、行かねーでいいのか?あーゆーの好きだろ」



いつもいつも他人を優先する。


俺といる時くらいは我儘になったっていいのに。



「大丈夫。あたしの分も空叶に頼んであるから」



つーかむしろ、我儘言ってくれよ。


じゃねーと……不安になるんだよ。


本当は何かに悩んでんじゃねーかなとか、


誰にも言えなくて苦しんでんじゃねーかなとか。


奏穂は家族にさえ、本当の自分を見せてねーから。


いつだっていい子を演じてるんだ。


……どんなに辛いことがあったとしても。



「海叶くん、奏穂ありがとう。こっちももう終わりそうだから2人で貝拾いでもしておいで」



「さんきゅ。ほら、奏穂行こーぜ」