あんな思いはもうして欲しくねぇし、したくねぇ。
あんなのは二度とごめんだ。
「海叶?行こ?」
「……あぁ」
そう、思ってたのに────────
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「お待たせっ、成実さん!お母さん!」
「おかえり。しっかり楽しんだみたいね」
「うん!」
母さんたちと連絡を取って合流した俺たち。
辺りはすっかりオレンジ色に染まっていた。
「やり残したことは無い?」
「うん。大丈夫」
「奏穂はいいかもしれないけど…海叶くんは?奏穂に振り回されて出来なかったこととか……」
「俺は平気」
元々買い物自体には興味ねぇし。
買いたかったものがある訳でもねぇ。
「そー?それなら空叶くんたちと合流しましょっ」
「うん!」
一通り買い物を済ませた俺たちは迎えに来てくれたおじさん…奏穂の親父の車に乗り込んだ。
「どー?準備は順調?」
真っ先に口を開いたのはおばさん。
「おー。空叶くんが頑張ってくれたおかげですぐ済んだよ。魚も沢山釣れたしなぁ」
「本当?さすが空叶だね、海叶」
「ま、あいつはあーゆー作業好きだからな。俺が手出すと怒んだよ。“触んな”って」
「ふふっ。空叶らしいね」
「本当、訳分かんねーよ。空叶は」
兄弟だからまだ可愛いけど…後輩にあんなのがいたらやってけねーよ……(笑)
「もう少しで着くぞー」
「「はーい」」
海と砂浜が一面に広がる場所に車を停め、たどり着いた俺たちは火を起こす親父と空叶の元へ向かった。
「空叶っ、準備ありがと」
「あぁ、おかえり。別にそんなに大変じゃなかったから」
「そっか」
空叶と楽しそうに会話する奏穂。
俺は椅子やらテーブルやらを準備しているおじさんの元へ向かった。
「おじさん、手伝うよ」



