【海叶side】
──────バタン
奏穂が部屋を出るのを確認した俺は服に手をかける。
…本当、気が利くと言うかお人好しと言うか。
「ま、奏穂らしいと言えばそれもそうだな」
奏穂とは4才の時からの付き合いで、俗に言う幼馴染ってやつ。
物心ついた頃から俺は奏穂と一緒にいた。
そのせいもあってか、何をするにも奏穂を1番に優先してきた。
しかも、そうすることが当たり前であるかのように自然と。
女の子と言うこともあって俺は小さな頃から奏穂を大事に思ってきたつもりではいたけど、別に奏穂に対して今みたく過保護になっていた訳でもなかった。
全ては小6の冬─────────
あの時から少しづつ、俺の気持ちは変わっていった。
今の奏穂はフツーだけど、フツーじゃねぇ。
いつまた…って思うと気が気じゃない。
最近は見なかったから落ち着いたんだって勝手に安心してた所もあったけど。
──────そんなわけねぇよな。
忘れられるはずがねーよ。
だから俺は決めたんだ。
何があってもあいつの傍にいてやる。
守ってやるんだって。
大好きなサッカーを辞めてでも、俺は奏穂の傍にいることを選んだ。
誰よりも大事だから。
失いたくねぇから─────────
「海叶?準備出来た?」
「わりぃ、奏穂。すぐ行く」
「うん。分かった!」



