冬恋~さいごの贈り物~


もちろん俺は本人じゃないし、はっきりと聞いた訳じゃないから完全に分かりはしないけど。


兄貴たちの''大切''は俺のとは少し違う気がする。



「しょうがないな。一度しかやらないから」



4年前、奏穂は親友を亡くしてその1年後自ら飛び降りようとした。


その場にいたわけじゃない俺が知っているのは兄貴や両親、秋帆さんや涼汰さんから聞いたことが全てで他は何も知らない。


だけどその事をきっかけに兄貴たちは少しずつ変わっていった気がする。



「やっぱお前うまいな。どーやったらそーなんだよ」



別にそう思う何かきっかけがあったわけじゃない。


けど弟だから、幼馴染だから。


小さな頃から2人を見てきたからこそ分かる2人の変化。


兄貴たちの''大切''は家族的と言うよりは''恋愛的''。


その方がずいぶんしっくりくると思う。



「別に何もしてない。やってたらこーなっただけ」



…ま、当の本人たちは自覚すらしてないみたいだけどね。


俺は自分にとって関係のない事だし兄貴たちがそれでいいならわざわざ口を出す気もない。


ただ…見ていてあからさまだし鬱陶しいから早くくっついちゃえば?って思うこともしばしばある。


結局何が言いたいのかっていうと、2人が幸せならそれでいいんじゃないって話。



「''何も''ね。じゃあお前、参考書とかも見てねぇんだな?」



「…何言ってんの兄貴。ゲームするのに参考書なしとかあり得ないでしょ」



「見てんじゃねーかよ。それ''何もしてない''って言えねぇから」



「はいはい…」



兄貴たちがこれから先、誰と一緒にいて誰と過ごそうが俺には関係ないし口も出さない。


だって誰といたって俺たちの関係は変わんないから。


兄弟で幼馴染。ずっとそう。



「本当かわいくねぇなぁ」