冬恋~さいごの贈り物~



【空叶side】




「空叶、続きやろーぜ」



「まだやるの?兄貴って本当やりだすと止まんないよね」



「じゃあご飯できたら呼ぶわね?」



「あぁよろしく」



奏穂と莉玖翔さんが帰ってもなお、ゲームを続ける兄貴。


そんな兄貴の名は室沢 海叶。俺の2つ上の高1で奏穂と同級生。


そして俺はそんな兄貴の弟で名前は空叶(ソラト)。今は中2。


''海''と''空''なんてすごく単純でしょ?


隣の家に住む瀬崎家とは家族ぐるみで仲が良く、俺や兄貴と奏穂は幼馴染ってやつ。


幼馴染ってなに?って聞かれると言葉で説明するのは難しいけど。


小さい頃からお互いを知ってる分、分かりあってるし支え合っていける。


一般的に言う男女の境界はあまりない。


…ただしそれは例外を除けばの話。


兄貴と奏穂に言うと調子に乗っちゃっても困るし絶対に言わないけど、俺は2人の事が大好きだしもちろん大切に思ってる。


当たり前でしょ?


1人は実の兄だし、もう一人は家族同然で育ってきたお姉ちゃんみたいなものだし。


こんな事自分で言うのは恥ずかしいけど俺は2人に可愛がられていると思う。


もちろん兄弟だから喧嘩だってするけど…仲直りのきっかけをくれるのはいつだって兄貴の方。


翌日には何事もなかったようにお互いが接してる。


奏穂は昔から素直じゃない俺の事を笑って受け止めてくれる広い心の持ち主。


こんな風に俺は2人の事を理解してるつもりだし、好きだとも思ってるけど。


それ以上でもそれ以下でもない。


…例外だと言ったのはむしろ。



「空叶。ここだけいつも突破できねぇんだよ。教えてくれ」




────兄貴たちのこと。