冬恋~さいごの贈り物~


何ていったって2人は仲が良すぎるから。



「…幼馴染、か……」



俺には周りにそう呼べる人がいないからその存在自体曖昧で、よく分かっていない。


そんな俺にとって幼馴染の定義は海叶と奏穂が全てで、そのまま頭の中にインプットされている。



「考え事か?莉玖翔」



どこからどう見ても仲のいい''幼馴染''の2人は''恋人''と言われればそうも見える。


お互いを大切に思いあっているはずでそれを分かっているはずの奏穂は、自分の気持ちに気付いているはずなのにそれを海叶に伝えようとはしない。


むしろ制御しているように感じる。



「うん、少しだけ。…奏穂は?」



どうして伝えようとしないのか、なんてそんなこと俺がどれだけ考えても答えは見つかるはずもないけど…


その答えはきっと奏穂の中にははっきりと出てるんだ。


だからこそ悩んで、泣きたいくらいに辛い気持ちを隠してでも傍にいるんだよな?


誰がどう見たって海叶にも奏穂しかいないはずなのに。




何がそんなに奏穂を苦しめてる────────?









「あー奏穂なら空叶…俺の弟と下で話してる」



「そっか」



好きな人同士が、大切に想い合う者同士が想いを伝えあって''恋人''になる。


それが一般的な''恋愛''。


だけど''本当の恋''はもしかすると俺が思うほど簡単ではないのかもしれない。



「…なぁ海叶」



「…ん?」



「海叶にとって奏穂は…どういう存在?」



「どーゆーって…どうしたんだよ?急に。俺にとって奏穂は…大事な幼馴染。それ以外の何でもねぇよ」



海叶はまだ、気づいていない。自分の本当の気持ちに。


だけど…分からない。


海叶が気づいていないのか、俺たちがその感情をただ海叶に押し付けようとしているのか。