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「じゃあ皆気をつけてね。花火が終わったらまた迎えに来るから」
「緋里姉ちゃんありがとう‼また連絡するよっ!」
「うん。楽しんできて」
「緋里さん。ありがとうございます」
花火の見える隠れスポット…海岸に連れてきてくれた緋里さんにお礼を言う。
そんなあたしたちに手を振り、緋里さんを乗せた車は再び暗闇の中へ消えていった。
屋台を充分に堪能したあたしたちの次の目的は花火。
5人並んで石のブロックに腰を下ろすと静かに波の音が響いた。
「私、夜の海って初めて!」
「俺も!」
「俺も…かな。海叶たちはどう?」
「あたしは…」
「俺は…」
「「あるよ」」
莉玖翔の質問にあたしと海叶の声が重なる。
そんな些細な事にでもあたしの胸は高鳴りを覚えた。
あたしって結構単純なのかも…。
きっと海叶とあたしが思い浮かべる海は同じ海。
年に一度バーベキューをするあの場所。
たったそれだけの事でも同じ思い出を共有してるんだなって思うとどうしようもない幸福感に包まれた。
皆で何を話すでもなく、ただここから見える景色を眺めていると
─────ドン
1つ大きな花火があがった。
「うわぁ…きれぇ…っ」
夜空に大きく打ちあがる花火と、海に反射して映る七色の光。
そのあまりにも綺麗な光景にあたしたちは言葉を失った。
初めの花火を合図に無数に打ちあがる色とりどりの花火たち。
それらの光に照らされる皆の顔をあたしはこっそり見つめた。



