冬恋~さいごの贈り物~


ビックリしたけどあたしにだけ教えてくれたことがすごく嬉しくて。


すぐに話題は空羽の事になった。


空羽のいい所や癖、仕草など…空羽の話をする芽依は本当に可愛かった。


恋してるんだなーって、すごく微笑ましかった。


悩みに悩んだ末、あたしも自分の想いを芽依に伝えると



''やっと気づいたんだね''



って笑われてしまった。


それからは2人で嬉しかったこと、ドキドキしたこと、辛かったこと、悲しかったことを語り合い共有してきた。


芽依は空羽に恋をしてからますます楽しそうに日々を送っている。


実際に夏休みに入ってからも何度か会ってるみたいだし。


少しだけ羨ましいなって…そう思う。


一方あたしはと言うと、まるで進展もなし。


何の変化もなく今まで通り''幼馴染''を続けてる。


意識し始めたからこそ分かる、海叶の気持ち。


海叶はあたしの事を本当にただの幼馴染としか思ってない。


それ以上でもそれ以下でもないんだって。


伝えないって決めたのはあたしだし、実際今の関係が一番いいんだって事も充分理解してる…つもりなんだけど。


そんな思いとは裏腹に加速し続けるこの想いを止める術をあたしは知らない。


今まで誰よりも近かった''幼馴染''という距離がこんなにも苦しいなんて思ってもみなかった。


どうして気づいてしまったんだろう…


いっそあのまま気づいてしまわない方が幸せだったんじゃないのかな…。









─────''幼馴染''ってなんなんだろうね…海叶。









「奏穂、何ぼーっとしてんだよ。芽依たち先行ったぞ?」



「えっ、ごめん…っ!」



海叶の声に我に返ったあたしは辺りを見回すも…芽依たちの姿はどこにもなかった。


あたしの為に海叶はここにいてくれたの?1人にならないように…。