冬恋~さいごの贈り物~


「うん、そーだね」



年に一度の花火大会。


もはや海叶と見るのは毎年恒例で。


一緒に見るのは今年で12回目。皆と見るのは今年で4回目になる。


いつもと違うとすれば、それは服装。


昨年までは皆私服で集まってたんだけど高校生になった記念に、という芽依の発案で今年は全員浴衣を着ることになった。


懐かしいな…確か小1くらいまでは海叶と浴衣を着て気がするんだけど……。



「奏穂ーっ、かいー!おーいっっ」



待ち合わせ場所である公園に着くと他の3人は既に揃っていたみたいで。


あたしたちの姿を確認した芽依が手を振り上げた。


淡いピンク色の浴衣を身につけた芽依。


…やっぱり可愛いな……。



「お待たせ、みんな。久しぶり莉玖翔、空羽」



「久しぶり…って言っても2週間くらいだけど」



優しく笑う莉玖翔はすごく大人っぽくて



「毎日一緒にいるからすごく間があいた気がしてた‼」



いつもより落ち着いて見える''御曹司''と言われても何故かしっくりきそうな空羽はやっぱり元気で。


あたしたちらしいなって思った。



「今日さ、花火が上がる少し前に緋里姉ちゃんがいい所に連れて行ってくれるって‼」



「じゃあ花火を見るのはいつもの丘じゃないってこと?」



「うん!それでもいいかな⁈」



「全然いい!緋里さん、どこに連れて行ってくれるのかな~?」



「芽依。はしゃぎすぎて迷子になるなよ」



「もぉかいってば!すぐそういう事言う!くう~、助けてよ~っ!」



「大丈夫!迷子になっても俺が見つけるって!」



「くう…それ微妙にフォローになってないから…」



「ははっ。大丈夫だよ、芽依ちゃんの声でどこにいるか分かるから。迷子にはならないと思う」



「りくまで私のこと…。うわぁん、奏穂助けて…っ」



「ふふ。皆やりすぎだよ(笑)」



あの日…芽依の話を聞いた日からあたしたちはずっとこの調子。


芽依は完全にいじられ役。


だけどきっと分かってる。それが彼らの優しさなんだってこと。