冬恋~さいごの贈り物~


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「おはよー‼奏穂、海叶っ」



「おはよう」



今日も一緒に登校してくる幼馴染の2人。



「おはよ。莉玖翔、空羽」



「はよ…」



今更胸なんて痛まない。


だけど''幼馴染''ってズルいよな。


それだけで距離が縮まって特別で。


そもそも俺なんかが適うはずがないんだ。


俺と空羽、芽依ちゃんの3人は2人がお互いの事を''幼馴染以上''に想っている事に気付いてる。


それなのに本人たちがその事に気付いていない。


もったいないと思いつつどちらの背中も押してやれないのは、やっぱり俺も奏穂が好きだから。


どこまでもズルいやつなんだ、俺は。



「おはよ!奏穂っ」



登校早々奏穂に抱きつく芽依ちゃん。



「おはよ、芽依」



「ちょっと!俺たちは無視かよっ、芽依‼」



「…あ、りくくうかいもおはよ!」



「''も''って…ついで感満載だな」



「もぉー!怒んないでよ、かい!イケメンが台無しだよ~?」



「うるせー。つか別に怒ってねぇよ」



朝から騒がしい俺たちをクラスメートが不思議そうに眺める。


…そう言えば金曜日まで俺たち一緒にいなかったんだっけ。


じゃれあう4人を見ながら



''やっぱりこれが一番だよな''



と再確認した。



















「今日で一学期も終わるが…皆羽目を外さないようになー。じゃあ体育館に移動してくれ」



明日から夏休みが始まる。


皆でぞろぞろと体育館に向かう途中、俺は違和感に気付いた。


いつもより少し元気のない様子の奏穂の視線の先にいる海叶。


なぁ奏穂…どうしてそんなに悲しそうなんだよ。



「奏穂。明日から夏休みだな」



「あ、うん!そうだね」