反対側を見ると、空叶がスヤスヤと眠っていた。
時刻を見ると今は3時前。
「…ごめん。海叶………」
「謝んなくていい。…見たのか?」
「うん…少しだけ」
「…そっか」
それだけいうと海叶は身体を起こし、あたしを抱き寄せる。
「いつからだ…?前は治まったって言ってたよな?」
「高校に入学してから少しずつ…。治まってたのは本当なの。だけど…環境が変わったからかな?気がつくと思い出すようになっちゃってて……」
「夢に見るのは……」
「今日が初めてだよ」
確実に良くなって言ってるんだって思ってたけど…。
やっぱり、ダメなのかな…。
分かってる。
忘れない、忘れちゃいけない。
無かったことになんて、出来るはずがないんだ。
「俺がいる時でよかった…」
「…心配かけてごめん」
あたしがそう言うと、海叶は身体を離しあたしと目を合わせる。
「いつも言ってんだろ。奏穂が謝る必要なんてねぇって。お前は…──────何も悪くねぇよ」
「でもっ…、あたしのせいで杏結莉は…っ」
「今は気が動転してんだよ。疲れ溜まってんだろ?傍にいるから…お前はちゃんと寝ろ」
「うん、ごめん…」
「だから謝んなって」
あたしは海叶の腕の中で今度こそ、ちゃんとした眠りについた。
「…守ってやるよ。絶対1人にはしねぇから」
✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤
「奏穂、兄貴。そろそろ起きろって母さんが」



