【莉玖翔side】
芽依ちゃんの過去を知った翌日。
小鳥のさえずりに俺は目を覚ました。
「今日もいい天気だな…」
すがすがしすぎるほどの晴天にカーテンを開けた俺は目を細めた。
芽依ちゃん、空羽、奏穂、海叶。
皆それぞれにヒミツを持ってた。
いじめられた過去、家族を亡くした孤独、親友を失った悲しみ、幼馴染に言えない苦しさ。
皆の話を聞いてると、人生楽しい事ばかりじゃないなって。
そう思い知らされた。
皆は俺を''大人だね''って、そう言う。
「本当は大人なんかじゃない。大人なんかじゃないんだ…」
俺は弱い。5人の中の誰よりも弱虫で子供だ。
人1人とさえ、まともに向き合えてない。
逃げてるんだ、俺はずっと。
自分の気持ちから目を逸らし続けてる。
皆は強いよ。自分の気持ちとちゃんと向き合ってる。
誰にでも出来ることじゃない。だからこそ本気ですごいと思った。
─────『誰にだって…莉玖翔にも、芽依にも、海叶にも…あたしにも。親友にだって言えない事の1つや2つはあると思う』
空羽の故郷で奏穂が口にした一言…少しだけドキッとした。
バレてるんじゃないか、見透かされてるんじゃないかって。
まぁ結局俺が深読みしすぎてただけだったんだけど。
けどもしかしたら、海叶くらいは気づいてたりするんだろうか。俺のヒミツに。
俺は皆みたいに強くはないから…
言えない、言えるはずもない。
─────奏穂の事が好きだ、なんて…。



