冬恋~さいごの贈り物~


異常なほどに赤く染まるあたしの顔を覗き込むようにしゃがんだ海叶に慌ててそう言い放つと、傍に置いてあった着替えを手にあたしは急いで部屋を出た。


お風呂上りで濡れた髪。水分を含んでいつもより重たい前髪から覗く優しい眼差し。


引き締まった上半身と香ってくるボディソープの匂い。



「あんなの…反則だよ……」



「何が反則なのかしら?」



「お、お母さん!」



「若いっていいわねぇ~!うふふっ」



何やら意味深な言葉を言い残し、お母さんは去っていく。


やっぱり何かがおかしい。


そして多分変わったのは…














紛れもなくあたしの方だ──────────────



















「顔色戻ってんな。よかった」



「うん、ごめん」



「いや、俺が勝手に心配しただけだから。気にすんな」



お風呂から上がると、海叶は自分の布団にうつ伏せテレビゲームをしていた。


海叶の布団の隣にはあたしの布団。


海叶が泊まる時のいつもの光景。


その状況にさえも心臓がドキドキと脈をうつ。



「海叶、まだ髪乾いてないね。ドライヤー使う?」



出来るだけ平静を装って海叶に声をかける。



「めんどくせぇからいい」



「…あたしが乾かそうか?」



気づけばそう口にしていた。



「ん、じゃあ頼む」



「うん…」



自分で言っておきながら、いざ海叶の髪に触れると緊張が走る。


落ち着け…あたし。髪を乾かすだけだから。


そっと触れた海叶の髪は見た目以上にサラサラだった。



「海叶の髪、さらさらだね…」



「そーか?」



「うん」