冬恋~さいごの贈り物~


必然的に一緒にいるようになった海叶と莉玖翔とあたし。


部長に呼ばれたり先生に呼ばれたりで莉玖翔、もしくは海叶と2人でいる場面も実は結構頻繁にあった。


紳士的で誰にでも優しい莉玖翔と、少しクールで実は優しい幼馴染の海叶。


接してみればみるほど2人は全然違ってて。


長い時間を共に過ごしてきた海叶に安心感を抱くのは当然と言えば当然だし、そのこと自体は普通なんだけど…


おかしいと思ったのはふとした瞬間の鼓動の早さと火照る頬。


前からこんな感じだったっけ…?と自分でも沢山考えてみたけどきっとそうじゃなかった。


そんなおかしな現象が起こるのはいつだって海叶といる時で。


最初は疲れているからかな?とか考えたりもした。


でも、いつまで経っても''それ''は変わらないまま。


今でもこうやって頭を悩ませてる。


海叶のしている事はいたって普通の事。今までと何も変わらない。


落ち込んでいる時に傍にいてくれたり、慰めてくれたり。


時には頭をなで、抱き寄せてくれたり。


そう、今までと何1つ変わらない。小さな頃から海叶がしてきてくれた事。


あたしは幾度となく海叶のそんな優しさに助けられてきたけど…


優しさの度合いで言うと莉玖翔も負けてない。


実際、今回落ち込んでいたあたしに莉玖翔がしてくれたのは海叶がいつもやってくれる様な事で。


さすがに抱き寄せられたりはなかったけど2人の優しさは似たり寄ったりだった。


それなのにいつからか、あたしは海叶の言動に過剰に反応するようになってて…。



「風呂、ありがと。奏穂も行って来いよ」



お風呂上がりの海叶にでさえ鼓動が激しくなる。



「奏穂。お前大丈夫か?熱でもあるんじゃ…」



「だ、大丈夫っ。そんなんじゃないから!」