【奏穂side】
「海叶っ、ごめん。お待たせ」
「仲直り出来てよかったな」
「…うん」
芽依と別れあたしは海叶とうちへ帰る。
美人ゆえに起きてしまった芽依の辛い過去。
きっと、昔と重ねてしまったんだね…。
「だいぶスッキリしたみてーだな。久々に明るい顔してる」
「本当?」
自覚はないけど…そんなに顔に出ちゃってるのかな、あたし。
「仕方ねぇだろ、色々続いてたし…。空羽も芽依も1人で戦ってたんだな」
「うん。そうだね…」
「まぁそれはお前も一緒だけど」
「それは海叶も同じでしょ?」
つくづく思う。人はそれぞれに何かを抱えて生きてる。
楽しい事、嬉しい事、辛い事、悲しい事。
皆が大人だと思っている莉玖翔にも、もしかしたらあるのかもしれない。
辛すぎて、時にはくじけそうになることだってある。
だけど不思議な事に、その経験はあたしたちを少しずつ大人へと近づけていく。
一体どれだけの苦しみを味わえば人は''大人''になれるんだろう…
世の中にはきっと''完璧な大人''なんていない。
みんな未熟だからこそ家族と、仲間と、友達と、近所の人と。
支えあって生きていく。
あたしたちは3年前より、数カ月前より、数日前より、昨日より…大人になれてるのかな。
…きっと大丈夫。あたしたちは少しずつだけどちゃんと成長できてる気がするから。
3年前より、昨日より近い距離がそれを証明してる。
「俺は皆や奏穂ほどじゃねーから」
「それでも、同じだよ」
──────''奏穂はかいのことどー思ってるの⁈''
「明日土曜だし。今日は奏穂んちで寝る」
先ほどの芽依の言葉が頭をよぎる。



