翌日。
泣きはらして重たい瞼を必死に覚まして学校に向かう。
昨日のは嘘だよね。何かの間違いだよね。
そう思わずにはいられなかった。
だってこんなのはあまりに脆くて。
信じられなかった。信じたくなかった。
だけど現実は嫌と言うほど残酷で…
『あ、渚桜!おは…よ………』
通り過ぎた渚桜は、まるで私なんか見えてないとでも言うようにすぐ隣を通り過ぎた。
私の考えは甘かった────────────
教室の自分の席に座ると急に孤独を感じて。
言いようのない寂しさが私をおそった。
もう慰めて一緒に戦ってくれる''友達''はいない。
その事を改めて実感させられた。
人は1人ではこんなにも弱いんだと、私はこの時初めて知った。
この日から私は人が変わったように自分以外の人を避けるようになった。
『なぁ江藤…』
『うるさいっ!話しかけないで』
優しくしてくれる男子にも
『芽依…大丈夫か…?』
『志賀くんには関係ない。放っておいて!』
直耶くんにも冷たくあたった。
呼び方も以前のように''志賀くん''に戻し、学校にいるすべての人と距離をとった。
…それでも直耶くんには罪悪感を感じて。
せめてもの気持ちとして、お菓子と
''直耶くん、ごめんね。冷たく当たってごめんなさい。直耶くんの気持ちすごく嬉しかった。だけどもう私に話しかけるのはやめてください。本当にごめんね…。 芽依''
と書いたメッセージの入った袋を玄関にかけておいた。
それからは直耶くんとの関わりも全然なくなって…
結局渚桜は私の元へ戻ってくることはなかった────────────
……─────────────────────
「小学校を卒業した私はお母さんたちに事情を話してこの町に引っ越してきた。そこで奏穂たちと出会ったんだよ」
全てを話し終えた私は顔をあげる。
奏穂は涙を流し私を見ていた。
「芽依…ずっと。ずっと辛かったんだね…」



