振り返った先に見知ったふたり。
家まですぐそこという距離で呑気にキスしてたわたしたちもわたしたちだけど、なんていうか遭遇率高い。かのちゃんだけならまだしも、夕李も一緒なんて気まずいにも程がある。
「また地元のヤツらに騒がれんぞ?」
その気まずさを中和するように、ふっと微笑む夕李。
別れてから特別気まずいと思ったことはないけど、こういうところを見られるのはやっぱり気まずい。ぎこちなく笑ってみせれば、かのが夕李の手を引いた。
「ん? かの?」
「先帰ろよ、夕ちゃん。
邪魔したらお姉ちゃんに怒られちゃう」
「ふっ、そーだな。……じゃ、お先」
ふたりが、そのまま去っていく。
再びふたりきりになったはいいものの、目撃されたことが恥ずかしくて、綺世を直視できない。
「ひの」
「……はい」
「今度、うち来るか?」
「……はい?」
うち来るか?ってどういうこと?
いや、家に誘ってくれてるんだろうけど。それはわかるんだけど。そこに何か深い目的でもあるの?と彼を見つめていたら、綺世はわたしの頭に手を乗せて。
「家族に、今のうちから紹介しとく」
「え、」



