さり気なく一週間避けてきた夕李だが、今日は夕方から地元会。

一応全員来る予定だから、参加しないという選択肢はできないわけで。気まずいと思いながらも行くことにしてるのだけれど。



「うんっ。夕ちゃんばっかりなんだもん。

やったぁ、じゃあ先に浴衣見に行こうよ」



「ふふ……うん、そうしましょうか」



やっぱり気まずいものは気まずい。

呼吸するたびに吐く息がため息のように重く感じる。気まずくて困ると目を伏せるわたしへの気晴らしではないけれど、かのがあっちに行こうこっちに行こうと声をかけてくれるのは助かった。



「いっぱい動いたからお腹すいたねー」



「目的のものも買えてよかったんじゃない?」



散々ショッピングモール内を歩き回って、14時になってようやくフードコートの椅子に腰を下ろした。

前に綺世と来ている上に指輪を買いに来たショッピングモールだとわかっているものの、意識したら負けだと思い込んでいれば、案外気にはならない。




それでもふとした瞬間に、思い出すのだけれど。



「クレープ食べようよ~っ。

レモンだって!期間限定だよ!」



「……かのちゃん、わたしそれ前に食べた」



「ええっ……ならおねーちゃんはいちごね?

かのいちごも食べたいから、半分こね?」



かわいい。オネダリしてくるその様子がめちゃくちゃかわいい。

抱きしめたくなる気持ちをおさえて「わかった」と席を立とうとしたら、「買いに行ってくるねー!」と先にかのが行ってしまった。



……お転婆でときどき不安になるけど。

まあ見てて可愛いからいいかと、妹がもどってくるまでの間にスマホを確認していれば、会うのを楽しみにしてる地元メンバーが楽しげに騒いでいて。



『今日の地元会、一緒に行かねー?』と。

個人的に夕李から送られてきていたメッセージに、無意識に息を詰めた。