◆あなたに一粒チョコレート◆

たちまち画面を見た浪川の顔がほころぶ。

……ん?

私は浪川のスマホのストラップを見て眉を寄せた。

なんか、見覚えがある。

ちょっと待って……これって……。

「あーっ!」

私の叫び声に、三人がビクリと身体を震わせた。

「なによ、ビックリするじゃん!」

私は息を飲んで浪川を見つめた。

「な、浪川、もしかしてそのストラップ……」

浪川が照れながら満面の笑みで頷いた。

「実は……そうなんだ」

マジ?!そうなの?!

そうか……そうだったんだ。

私の心に三木さんのはにかんだ顔が浮かんだ。

三木さんは、浪川のことが……。

それから、三木さんから送られてきたLINEの画像を思い返す。

可愛くラッピングされたチョコと、シンプルだけどセンスのいいストラップ。

……良かったね、三木さん。

私は嬉しくて嬉しくて浪川を見上げた。

あの三木さんが選んだ浪川だもの。きっと素敵なところが沢山あるに違いない。