「え、まじ?!」
「そ。『せめて義理チョコくらい受け取って!』てしつこく迫ってきた女子に言ってたぜ、『ごめん、俺チョコレートアレルギーなんだ』って」
私は思わず、窓際で話していた藤井に向き直った。
……瑛太はチョコレートアレルギーなんかじゃない。
だってチョコレートが大好きで、自分で買って食べるくらいだもの。
その時、谷口さんの顔が頭をかすめた。
……多分瑛太は、谷口さん……谷口架純さんを大切にしたいから、そんな嘘をついているんじゃないだろうか。
谷口さん以外の人からチョコレートを受け取らないように。
きっとそうだ。瑛太なら……谷口さんを大切にすると思うもの。
だって瑛太は優しいから。
そう、いつだって瑛太は優しい。
背が高くて大きくて、暗い夜道は頼りになるし、少し頑固で強引なところもあるけど、小さな事にこだわらないし私がして欲しいことはなんだかんだ言ってちゃんとやってくれるし、それに、それに……。
ガツン!と身体に衝撃が走った。
「そ。『せめて義理チョコくらい受け取って!』てしつこく迫ってきた女子に言ってたぜ、『ごめん、俺チョコレートアレルギーなんだ』って」
私は思わず、窓際で話していた藤井に向き直った。
……瑛太はチョコレートアレルギーなんかじゃない。
だってチョコレートが大好きで、自分で買って食べるくらいだもの。
その時、谷口さんの顔が頭をかすめた。
……多分瑛太は、谷口さん……谷口架純さんを大切にしたいから、そんな嘘をついているんじゃないだろうか。
谷口さん以外の人からチョコレートを受け取らないように。
きっとそうだ。瑛太なら……谷口さんを大切にすると思うもの。
だって瑛太は優しいから。
そう、いつだって瑛太は優しい。
背が高くて大きくて、暗い夜道は頼りになるし、少し頑固で強引なところもあるけど、小さな事にこだわらないし私がして欲しいことはなんだかんだ言ってちゃんとやってくれるし、それに、それに……。
ガツン!と身体に衝撃が走った。


