菜穂はポツポツと呟くようにそう言った私を見つめた。
「まあ春が浅田とこのままでいいなら、私は何も文句はないよ?でもさー、なんかねー……」
それから大きく息を吸って空を仰ぎ、気分を変えるかのように声のトーンを上げた。
「さ、次移動だよ。行くよ」
「……ん」
「川瀬」
席に戻り教科書をまとめて視聴覚室へ移動しようとしていた私を、出入り口から誰かが呼んだ。
……鮎川君だ。
瞬間的に隣の席の瑛太と眼が合ったけど、私は瑛太の席の後ろを通り抜けると鮎川君に近寄った。
「今日一緒に帰らない?部活ないんだ」
「あ、もしかして今日は休部日?」
「そ」
我が校は、三ヶ月に一度休部日というものがあり、全ての部活動が休みになる。
それは何故かというと、安全に部活が出来るように、先生達が専門家と部で使う設備や道具の安全点検を行う日だからだ。
「まあ春が浅田とこのままでいいなら、私は何も文句はないよ?でもさー、なんかねー……」
それから大きく息を吸って空を仰ぎ、気分を変えるかのように声のトーンを上げた。
「さ、次移動だよ。行くよ」
「……ん」
「川瀬」
席に戻り教科書をまとめて視聴覚室へ移動しようとしていた私を、出入り口から誰かが呼んだ。
……鮎川君だ。
瞬間的に隣の席の瑛太と眼が合ったけど、私は瑛太の席の後ろを通り抜けると鮎川君に近寄った。
「今日一緒に帰らない?部活ないんだ」
「あ、もしかして今日は休部日?」
「そ」
我が校は、三ヶ月に一度休部日というものがあり、全ての部活動が休みになる。
それは何故かというと、安全に部活が出来るように、先生達が専門家と部で使う設備や道具の安全点検を行う日だからだ。


