たちまち全身に電流が流れるような感覚がして、身体がカアッと熱くなる。

なに?なんで?!

「おーっと……」

瑛太のこの行動を目の当たりにした山内君が、照れたように天井を仰いだ。

「やだなに、アイツってば」

私は焦りながら、取り繕うようにそう言って鮎川君の顔を見た。

……でも。

鮎川君が見ていたのは、去っていく瑛太の背中だった。

固く唇を引き結んだ鮎川君は、徐々に小さくなっていく瑛太を凝視している。

その時山内君が、空気を変えようとしたのか少し声のトーンを変えた。

「おい、そろそろ行けよ、鮎川」

「え?……ああ。行くよ。じゃあね、川瀬」

鮎川君は私に視線を移すと、優しく笑った。

「うん、頑張ってね」

私は鮎川君に手を振ると、席に戻って荷物をまとめた。

……なんかしっくりこない。

ここのところの瑛太はなんだか理解できなくて、私はブンブンと頭を振ると彼を思考から追い出した。