何も言えなくなって黙り込んだ時、見計らったように明るい声が響いた。

「ーーみーつけた!」

突然聞こえた声に、私と宮ちゃんは飛び跳ねるように驚いた。

ばっと扉に向くと、そこにいるはずのない人がいてさらに驚く。

「相良君!?」

「来ちゃった」

語尾に音符がつきそうな、軽やかな声。だけど、少し無理してる気もする。

にこっと笑った顔が、とても格好いい……というか、可愛い。

「あー……昨日は迎えに来てくれたから、今日は俺達が」

「……俺達?」

宮ちゃんの、まさか、という表情に、私も同じような表情になる。相良君も気まずそうに笑う。

ーーそして、ひょこっと顔を出した美鈴君。

さり気なく宮ちゃんを盗み見すると、ぷしゅうっと空気が抜けたように顔を赤く染めて俯いた。

( あぁ、可愛い……じゃなくて、)

「み、美鈴君もいたんだね……えっと、いつからいた?」

相良君の表情で、予想はついていた。

けれど……ダメもとで。

あぁ、どうか。美鈴君様……

「……」

( あぁ……目を逸らさないで。宮ちゃんが大変なことに…… )