下宿屋 東風荘

すべて拭き終わり、昨夜廊下に出しておくと言われた本を取りに行くと、かなりの量がある。

「あ!この漫画今人気でさ、買えないんだよ?予約しても結構待つんだって。冬弥さん読むの?」

「平日にアニメがやってましてねぇ、それを見ているのを賢司に見つかってしまったんですよ。そしたら本があると言うのでお借りしました」

「俺も頼んでみようかな?」

「大切に扱うのなら貸してくれると思いますよ?彼も何だかんだと優しいですから」

「だよね。頼んで見る。それよりもさ、ご飯は?」

「今から買い物に行くので、行きに食べていきましょうか。何か食べたいものありますか?」

「商店街だよね?」

「ええ」

「だったらさ、角にあるラーメン屋さんがいいな」

「1度皆さんで行きましたねぇ」

「うん、月に1回は行くんだけど、今月お小遣いピンチだから……だめ?」

「良いですよ。私もあそこの年中やっている冷やし中華は好きです」

「熱いの苦手なの?」

「猫舌なんですよ」と言いつつ、狐だからとは言えない。