下宿屋 東風荘

外に出て見送ってから、時計をみるともうすぐ朝の5時だった。
朝餉の用意には早いと思いながらも、土間へ行き久し振りに釜でご飯を炊くことに。

昨夜の食器なども片付けられており、全部綺麗に無くなっていたので、糠床から那須、胡瓜、大根を出して切って器に入れて蓋をする。

コンロの方で揚げを甘く煮、冷ましてから残りご飯にヒジキを混ぜて詰めていく。
ひじき稲荷の出来上がりだが、数は足りるだろうかと重箱に詰めていく。
勿論、秋彪様なのだが。

味噌汁は、大根と揚げにワカメ。今日は白味噌で少し甘めだが、いつも赤味噌も合せ味噌も使い飽きないようにはしている。

月末の家賃まで少しばかり日もあるので、暫くは簡単なもので我慢してもらおう……

六時をすぎると誰か起き始めるので、だし巻きに鮭を焼いて平皿に乗せていく。
それらを机に並べ、米を見てから火をかき出し、海苔や佃煮など全部並べてから、先に自分専用のお膳を用意しテレビを付けて食事を取る。