下宿屋 東風荘

「君には私がどのように見えるのか聞いてもいいかい?」

「耳と尻尾は白色?銀色にも見えて、周りに小さな狐が今5?6位。でも、僕の方をすごく見ていて怖いんですけど……後、その狐達、半纏みたいなのを色違いで着ています」

「ほう……怖くはないのかい?」

「怖くはないですけど、ポカポカする様な暖かい感じがします」

「私の周りの色が見えるかい?」

「え?何も」

それじゃぁと、少しだけ妖気を出す。

「今……やっぱり銀色っぽいのが周りに見えます」

「あと一つ。君を連れてきたお爺さんは何か言っていたかい?」

「この家の人を助けてあげてって。でも、大家さんですよね?」

あのじじいと一瞬思ったが、こちらから何かをするでもなくこうなった事は有難い。

「私が人でないのはわかるね?」

「はい」

「この下宿と家は、神社の敷地内にある。と言っても外れのほうだけどね」

「はい」

「そして私は、その神社の狐だという事も理解して貰いたい」

「はい、ほかの方はみんな知ってるんですか?」

「知らないよ?見えているのは君だけだ」