「相変わらずだな」そう言い、狐に酌をさせて酒を煽る。

那智は着物ではあるが、どちらかと言うと何にでも拘っている。
着物の柄から帯まで。男性ものよりではあるが、中性的な感じの顔立ちなので女性用を着ても違和感はは無い。

「それにしても、今日は艶やかだねぇ?」

「そう見るお前の目がおかしくなったんじゃないのか?」

「そうかい?」

「着流しなど、いつまで着ているつもりだ?もっとしっかりと……」

「はいはい。そこまで。これでも、気は使ってるんだよぅ?人様の社に行く時はね?」

「もっと気を使え!」

「分かったよ。話しは?」

「冬の神社だ」

「何がしたいんだい?」

「私の知っている奴がそろそろ落ち着きたいと。勧めたら必ず降りると思うのでな」

「那智の配下の社が二つ。戦争でもしたいのかい?」

「まさか……」

「だよね?それに、降りないよ?珠は私が持ってるからねぇ。それが無いことには力は大きくもならないさ」