そろそろみんな帰ってくる頃だろうと思いながら、来週新しい子が入ることは、明日の朝にでも言えばいいかと思い、仮眠をとる。

「冬弥様、お時間でございます」

「ん?あぁ、もうそんな時間かい?」

時計をみるともう夜の八時を回っていた。
身支度を整え、姿を消して外に出る。

やはり、まだ1月。
ちらほらと雪がちらついてきている。

「寒いねぇ。お前達みんな付いておいで」

みんなを連れ、那智の社まで飛ぶ。
正確には屋根の上を伝って行くのだが、姿を消さずとも素早いので人からは見えはしないだろう。

「久々に来たが、何だか雰囲気が変わったねぇ。そう思わないかい?」

「来たか。兎に角社の中に来てくれ」

「何をもてなしてくれるんだろうねぇ?」

那智の後に続きながら社の中へと入る。

狐たちが宴の支度をしてくれているが、もてなされる謂れもない。

「こちとら忙しいんでねぇ、本題に入ってくれないかい?」

「そう急くな。だいたい話はわかっているのだろう?」

「さぁ?」