言えば、「ふーん」とそっけない反応。

聞いてきたくせになんなんだ。……とは、思っていても口には出さないけど。



「ああ、そうだ。

今日ね、うちの家に知り合いを呼んであるんだよ」



「………」



知り合い……?

ミケに言われたら、嫌な予感しか浮かんでこないんだけど……?



「そんな顔しないでよ。

言っとくけど、HTDの人間じゃないから」



「……なら、誰なのよ」



「於実だよ。よく知ってるでしょ?

──月霞7代目の、幹部なんだから」




まるで挑発するようなその言葉に、目を見張る。

どうして、於実がミケと知り合いなの。於実はずっと月霞に忠誠を誓ってきた人。──だからわたしの幼なじみは、幹部として名前を上げたのに。



「な、んで、」



「ふふっ……その、恐怖と葛藤する顔、俺は結構好きだよ。

まあ、万智は七星のそんな顔が見たいんだろうけど」



「っ、なんで於実があなたと知り合いなの、」



「……気づかなかったの?

俺とはじめて出会ったとき、どんな格好だった?」



ミケと、はじめて出会ったとき?

このあいだコンビニの前で駅までの道のりを聞かれたそのとき……ミケは、制服を、着てた。



「……っ、」