もちろん気づいているけど、払ってもらう気はないので諦めて欲しい。
「レシートは提出しないよ。ちゃんと安いものにしたから、美味しく食べて」
言うなり袋を押しつけて、手早く奥に進んだ。
すごすごとうなだれていた諏訪さんも、ちらりと確認した箱の中身に考えを改めたのだろうか。
早速嬉しそうに冷蔵庫にしまい込んでいる。
確かに、保冷剤をつけてもらったとはいえ、少しでも冷えた方が美味しいから、文句は言わない。
言わないけど。
先ほどとは打って変わって鼻歌交じりにお湯を沸かし始めたのだから、つくづく現金だ。
前来たときに諸々覚えた。
前と同じように鞄を部屋の端のテーブルにのせて、食器棚から必要なものを取り出す。
「食器って前と同じでいい?」
「いいよー、ありがと」
「ん」
高級感溢れるティーカップを二つ手に取る。
落としたらどうしようもないので、ソーサーと合わせて慎重に一つずつ。
「諏訪さん、紅茶?」
「紅茶。祐里恵は?」
「紅茶」
紅茶のティーバッグを取りだして、シュークリーム用のお皿を出した。
煙草は別の部屋の灰皿に置いて作業している上に、消臭剤まで撒きまくり、ありがと、と何かを置く度に言ってくれるのだから、諏訪さんは案外律儀な人である。
「レシートは提出しないよ。ちゃんと安いものにしたから、美味しく食べて」
言うなり袋を押しつけて、手早く奥に進んだ。
すごすごとうなだれていた諏訪さんも、ちらりと確認した箱の中身に考えを改めたのだろうか。
早速嬉しそうに冷蔵庫にしまい込んでいる。
確かに、保冷剤をつけてもらったとはいえ、少しでも冷えた方が美味しいから、文句は言わない。
言わないけど。
先ほどとは打って変わって鼻歌交じりにお湯を沸かし始めたのだから、つくづく現金だ。
前来たときに諸々覚えた。
前と同じように鞄を部屋の端のテーブルにのせて、食器棚から必要なものを取り出す。
「食器って前と同じでいい?」
「いいよー、ありがと」
「ん」
高級感溢れるティーカップを二つ手に取る。
落としたらどうしようもないので、ソーサーと合わせて慎重に一つずつ。
「諏訪さん、紅茶?」
「紅茶。祐里恵は?」
「紅茶」
紅茶のティーバッグを取りだして、シュークリーム用のお皿を出した。
煙草は別の部屋の灰皿に置いて作業している上に、消臭剤まで撒きまくり、ありがと、と何かを置く度に言ってくれるのだから、諏訪さんは案外律儀な人である。


