*
どこか上機嫌な祐里恵に文句を言われながら、早々に帰宅する。
まあ、ただ甘えてるだけだって分かってるからいいけど、それ、もし俺が分からなかったら関係こじれるやつだからな……!?
横目に恨めしく祐里恵を見たけど、やっぱり前を見ていて全然気づかない。
……いいけどさ、別に。いいけどさ……。
ご飯ご飯、と変な鼻歌を歌っているところをみると、多分本当にお腹がすいている。すぐに作った方がいいだろう。
メニューは二人で決めてある。手伝わないでぼーっとしてるのは疲れるそうで、祐里恵も手伝ってくれるらしい。
そんなこんなで、夕食のことばかりを考えていたから、祐理恵の動きに気がつかなかったのだと思う。
箸を並べに行くと、食卓の、俺がよく使う席に何か置いてあった。
トイレかななんて思って何も言わなかったんだけど、祐里恵は少し前にそっと洗面所の方へ離れていて、部屋には俺一人だ。
「イヤホンジャック……?」
買おうか買わないか迷って結局買わなかった、それに。
『恭介さんへ。よければどうぞ』
多分、帰ってきてから書いたのだろう一筆箋が添えられている。
よければ、なんて不安そうでちょっと素っ気ない文面のくせに、綺麗な字が少し震えて、色は俺が迷ったとおりきちんとお揃いで。
どんな顔をして買ったのかと、そんなことを考えて、しばらくして伺うように扉を開けた祐里恵を思わず抱き締めた。
どこか上機嫌な祐里恵に文句を言われながら、早々に帰宅する。
まあ、ただ甘えてるだけだって分かってるからいいけど、それ、もし俺が分からなかったら関係こじれるやつだからな……!?
横目に恨めしく祐里恵を見たけど、やっぱり前を見ていて全然気づかない。
……いいけどさ、別に。いいけどさ……。
ご飯ご飯、と変な鼻歌を歌っているところをみると、多分本当にお腹がすいている。すぐに作った方がいいだろう。
メニューは二人で決めてある。手伝わないでぼーっとしてるのは疲れるそうで、祐里恵も手伝ってくれるらしい。
そんなこんなで、夕食のことばかりを考えていたから、祐理恵の動きに気がつかなかったのだと思う。
箸を並べに行くと、食卓の、俺がよく使う席に何か置いてあった。
トイレかななんて思って何も言わなかったんだけど、祐里恵は少し前にそっと洗面所の方へ離れていて、部屋には俺一人だ。
「イヤホンジャック……?」
買おうか買わないか迷って結局買わなかった、それに。
『恭介さんへ。よければどうぞ』
多分、帰ってきてから書いたのだろう一筆箋が添えられている。
よければ、なんて不安そうでちょっと素っ気ない文面のくせに、綺麗な字が少し震えて、色は俺が迷ったとおりきちんとお揃いで。
どんな顔をして買ったのかと、そんなことを考えて、しばらくして伺うように扉を開けた祐里恵を思わず抱き締めた。


