気を利かせて部屋を出てったヒナ君…。



舜太の手がスッと愛芽の頬に延びてきた。



「怖かったよな…。」

「うん…うん…。」

「側にいれなくてごめん。」

「舜太は悪くない…。」

「でもこれからは側にいる。じゃ、俺は帰りま~す。元気出せよ?」



待って…。



行かないで…。



そう言いたかったけど愛芽に引き止める権利なんてない…。



もう終わりかも…。



でも『これからは側にいる』って…。



舜太の気持ちが痛い…。



舜太が帰った後にこれでもかと言うほど泣いた。



苦しくて苦しくて…。



こんなに舜太を好きになってる事に自分でもビックリした…。



なのに…。



ごめんね舜太…。



皆ごめん…。



「愛芽~!!」

「乃彩…。」

「何その不幸面~…。このチョコ食べちゃうよ?」

「ダメっ!!」



舜太から初めてもらったチョコ…。



ごめんね舜太…。