天満堂へようこそ-3-

どのパンフレットを見ても目玉は大鍋!

カラフルなのはいいが、梅干しのツボ……

「あの、申し遅れました。この課で部長をしております」と名刺を渡され、名前を見るが、直ぐにノアに渡ししまってもらう。

「何か気になる事でも?」

「これってさ、梅干しの壺に見えない?」

「え……えっと、はい、そうも見えますが、この壺……いえ、鍋ですが、オリジナルが今お手元のパンフレットでして、新しくなったのがこちらです」と見せられる。

確かに鍋だが、明らかに大本の印象は残っている。

「こちらはネット販売中心ですが、三点セットで若い主婦層に可愛いと人気でして、色も5色用意してあります」

「デパートとかは?」

「勿論置いてありますが、遠方からの注文が多いです」

「ここに載ってるだけ?」

「はい。何か……」

「これ貰ってもいい?」

「どうぞ」と封筒も渡される。

「カタログとかあったら、俺の部屋に届けさせておいて」

そう言い、部屋に戻ると副社長室に戻り電話をかける。