天満堂へようこそ-3-

パチンと指を鳴らすと、黒縁のメガネに変わった。
ユーリさんとはまた違う、切れ長の目だ。

「うん、カッコイイよ!ユーリさんとはあまり似てないのかな?」

「兄は母に似ております。防御などが得意でして、私は反対に攻撃の方を得意とします。我が家は代々王族を守護するものなので、基本得手不得手はあるものの、何でもできないと外には出してもらえません」

「じゃあ人間界初めてなんだ」

「訓練では何度か」

そっか、と言い、階段を登って1階に出る。

受付の先は特に何もなく、来客の応接間がほとんどだった。

「1階は殆どが部所ではなく、こちらで会議が開かれます。ほかの会社との打ち合わせなども。そうする事によって、社員が集中して仕事でき、お茶汲み等に時間を割かなくていいと、受付とは別に係がいます」