天満堂へようこそ-3-

「なんで俺がカレー作らないといけないんだよ!」

「お前でおば様連中が釣れるからに決まってるだろう?奏太じゃ子供すぎるし、ノアににこやかに出来ると思うか?ニコルも似たようなもんだし」

「ユーリでいいじゃないか!」

「ユーリではカレーが似合わんからだ!ハゲ!ニッコリ笑って立っててたらいいだけだから簡単だろう!」

「ユーリ、撮影のところまで強制連行しろ。ニコル、逃げない様に監視しておけ」

「了解しました」

「了解すんな!」

「では参りましょうか。姫も立ち会うそうですので」

無理やり車に乗せられ撮影場所に連れていかれる。
中に入るとテレビで見たばかりの早口のおじさんが居り、顔に何か塗られている。

「おい、そこの服に着替えてみろ」

「え?」

差しだされた服はジーンズにTシャツ。赤いタータンチェックのシャツ。

ノアもいつもと違うシャツにスラックスにニットのベストとカジュアルな感じになり、ルーカスは直接肌にVネックの黒いサマーセーターにジーンズ。天満マークのエプロンをつけた姿で、セットのカウンターに並ばされる。
その横にテーブルが置かれ、俺が座りノアが給仕をするといった形で撮影が始まった。