天満堂に前からある、通称魔女の大鍋。
薬を煎じる時に、店主が変な奇声をあげながら、鍋をかき混ぜている姿は周りから見たら恐ろしかった。
かったといっても、今使われていないだけで、またそのうち元気に使ってくれる日が来るだろうと毎日手入れだけは欠かさずに、磨くこと3ヶ月。

無事に高校を卒業した俺、多部奏太は今、友人をなくし落ち込んでいる店長、天満結月が元気になるのを、犬のムーンと一緒に待っている。