「でもね?俺、先輩を好きになった事、全然後悔してません。寧ろ、自慢したいくらいなんです。『俺の好きになった人はこんなに素敵なんだー!』ってね」



「…私は、そんな風に言って貰える程、素敵でも、イイ奴でもなんでもないよ?」



「俺にとっては、100%無敵なんですよ。先輩がなんて言っても」



「もう…佳人くんは口が上手いんだから。…そういうの、私信じちゃうタイプなのに…」



「信じてくださいよ。俺の事…俺の全部…」



「佳人くん…」



「さっきも、言ったでしょう?先輩が一人で苦しんだり、泣いたりしないでくれればいいって。
俺、いくらでも受けて立ちますよ?なんなら先輩のサウンドバッグになったっていい。
だから…雨の日に出逢って、雨の日に別れるだなんて言わないで…俺は、どんな先輩でも好きだから…」




何処までも、真っ直ぐな瞳。


逸らす事は出来なかった。
私は、また甘やかされてしまうと、心の中でジレンマに襲われながらも…。



その言葉に、何度も頷く事しか出来なかった。