さいごに、線香花火をした。


チリチリと鳴る。


「じつは、もうあえないんだ」


彼がそう言った。


「おれはとおいところにいくから」


彼がさみしそうに、呟く。


―――また、あえるよね?


わたしはそう尋ねる。


「そんなほしょうは、ないよ」


彼は困ったように笑う。


「でも、あえるといいな」


―――うんっ。やくそく、だよ?


「やくそく、か」


―――うん。


「じゃあ、わらっていろ」


―――え?


「きみがわらっていたら、おれはかならずあいにいく」


―――ほんと?


「ほんとだ」


―――ほんとにほんと?


「ほんとにほんとだ」


―――ほんとにほんとにほんとに・・・。


「しつこいぞ」


彼がわたしをたしなめる。